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2018/10/06~08 高畠稲刈り体験ツアー

 

所沢生活村の高畠稲刈り体験ツアー 報告

 

日時 2018年10月6日~8日

 

 

 

1066時に所沢を出発、圏央道、東北道、東北中央道を経て11時過ぎに高畠の中川・秋津さんの田んぼに到着、杭掛け中の中川淳さんに田畑をざっと案内していただきご自宅へ。秋津さん特製の豆カレーと雑穀米、野菜サラダのお昼を頂きお宅の周りの畑や作業小屋、あけびの垣根、水路を経て裏山に続くお庭などを拝見。田んぼへ移動して午後1時頃からやり方説明を受けて杭掛けに挑戦。「冬水田んぼ」での杭掛け作業は、田んぼの端に沿った比較的地面の硬い部分を私たちのために残しておいてくださったのですが、時に長靴の上の方まで泥に埋まることもありなかなか大変でした。既に建てられていた杭へ横木を縛って、傍に積み上げて用意して下さっている稲束の山からまず4束を地面から立てかけた上に稲束を時計回りに2人組になって積掛けていきます。私は渉吾君と組んで、慣れてくると楽しく次々にかけていけました。それがすむと田んぼのあちこちに置いてある刈りした稲束を集めたりしました。他の人たちはもっと重労働をされたようです。休憩のおやつに秋津さん手作りの栗の渋皮煮をたくさん頂きました。お役に立つかどうかわからないようなお手伝いにも農家の方はとても気を使って準備の方が大変だろうと実感しました。でも一仕事の後のさわやかさったらありません。何をしたわけでもないのでしょうが本人には応えられない快感です。田んぼの後畑へもご案内いただき朝からそこでカラスからタカキビを守るお仕事をしている愛犬ゴンといっしょに、夕日が西の空を染めるころ家路へ。私たちはさんさんへ。丁度台風が日本海を通過中で黒い雲が多い西の空を見て、ここからの夕日はほんとにきれいなのにと淳さんはお気に入りの場所も教えて下さいました。さんさんでの夕食はいつもの本田さんの家庭料理です。自前のお野菜満載の心づくしのお夕飯。たくさんの献立はどれもおいしく、こんなに食べられるかしらと思ったのにみんなきれいに平らげて身も心も満足。また明日頑張ろう、と早々の就寝へ。そのまま朝までぐっすりの私でした。なんて健康的!

 

 

 

7日朝7時、栗ごはんにたっぷりの野菜のおかずと味噌汁の朝食を頂きながら横でお昼のお弁当のおにぎりまで本田さんに作っていただいて高橋稔さんの田んぼへ。コンバインでは刈れない田んぼの角の稲を鎌で手刈りさせていただき、だんだん鎌の扱いに慣れてくる手ごたえなどを感じながらその作業に没頭する心地よさを感じる自分を何故だか意外に思いました。そのうちに稔さんの息子さんがコンバインに乗ってこられて一気に多量の刈り取りを進められるのを見て機械化の成果を実感しました。この後すでに一度杭掛けしてある田んぼへ移動し、隣の杭に掛替えする作業を教えていただき、私は今度は湯川さんと組になりその田んぼの掛替えをみんなで終えることができました。途中の休憩時間に稔さんは最近作り始められたシャインマスカットやクイーンニーナという名のすばらしくおいしい大粒のきれいなブドウをみんなにごちそうして下さいました。台風の影響か時折霧雨のような雨が降る中での作業でしたが、今度は時計と反対回りに稲束を杭にかけていくとか、秋津さんのように途中に横木をもう一本付けないとか、一つの杭に掛ける稲束の数が少しづつ各農家で違っていることなど分かりました。お昼は稔さんのお宅にお邪魔してお弁当を頂きました。ここでも野菜の煮物やお漬物などたくさんのごちそうで歓待していただき恐縮至極でした。松茸のお吸い物には思わずやった!松茸!と叫んでしまいました。お聞きすると、稔さんのお宅のお山で採れたものだとか。秘密の場所があるのだそう。うらやましい!

 

午後は星さんの田んぼへ。でもその前にお宅にお邪魔してその次に立派な図書室を拝見したり先にたくさんおやつもいただいたりしました。その後、やっと田んぼへ行くとお手伝いの方たちがすでにほとんど杭掛け作業を終えておられて私たちの仕事はすぐ済んでしまいました。それから星さんはリンゴ園へ案内して下さって、いつもながら気持ちの良いふかふかの下草の中にたくさん落ちたリンゴをどんな思いで生産者さんは受け止められるのだろうと思いました。せめてお手伝いになればとリンゴの袋外しを少しばかりしてきました。あまり働いた自覚はないまま二日目は終わってしまいました。さんさんへ戻ってお風呂へ入り暖かい夕食を済ませ(この幸せ!)7時から提携センターとの交流会を開いて戴きました。

 

交流会 星さん、中川信行さん、高橋稔さん、中川淳さんがご参加下さり、湯川から生活村のここ10年ほどの経緯をご説明し、提携センターからの今年2月の会議での突然の機械乾燥米設定の提案とその後の撤回の経緯について説明をお願いしました。

 

中川信行さん;90アールの田んぼの内50アールは杭掛け天日乾燥だが残りの40アールまではできない。50アールはあきたこまちで全部杭掛け自然乾燥だが自分ひとりの力ではこれからどれくらい続けられるかは分からない。

 

星寛治さん;90アールすべて杭掛け天日干し。孫が来てくれて手伝ってくれたからできた。異常気象も常態化しているがこれからは工夫をしながら杭掛け天日乾燥を続けて行くのが基本だと考える。80年代には消費者グループが47もあった。有機農業推進法ができたが、事業として経済的な方向へ進んでいる。運動としてとらえていくことが大切。単純な田園回帰とは違う。「幸福度」という価値観も出てきた。高畠町では数年後には50名ほどの若い担い手が出そう。

 

この他、高橋稔さんが個々の農家さんは様々な学生さんたちのご支援を受けて杭掛けを行ってこられている事情などを紹介下さり、送料が高騰し続ける最近の現状について情報交換も行いました。

 

高畠町有機農業提携センターが組織として杭掛け天日乾燥をどうとらえるのかのお考えをもう少し伺いたかったのですが、引き続きお話しできる機会を持てたらと思います。

 

所沢生活村は、運動として次の世代に引き継げるよう努力をしてきているが全く見通しが立たない現状の中、今回は杭掛け天日干しという米の生産方法を消費者の側としてどうすればよいかという問題提起を通じて、提携の意味を探ろうとしていることを会員にも生産者さんにも理解していただければと私は思います。会員の皆さんからの温かいカンパをたくさんいただき、それにお応えできるかどうか心もとないのですが、とりあえず杭掛け天日干しの体験をさせていただき感謝申し上げます。天日干しの適否の基準となる発芽率と毒性の問題、発芽毒の問題は、コメに限らず種に共通する重大な問題です。できることから調べて行ければと思っています。どうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

参加を予定されていたもう一組のご夫妻がご家庭の事情のため急きょ参加を取りやめられ残念でしたが、気を取り直して残りの5人で元気に出発。今回は駒場の会員Nさんのお車と運転での旅となり、湯川は運転から解放され稲刈り体験に集中できました。お疲れ様のNさん、ありがとうございました。お子達も参加してくれてありがとうございました。とてもうれしかったです。

 

 そして、援農というにはおこがましい私たちのためにいろいろとご配慮いただいた受け入れ農家の秋津さん・中川さん、高橋さん、星さん、本当にありがとうございました。

 

 

 

☆感想文を寄せて戴きました。

 

・小学生

 

初日の田んぼは結構ぬかるんでいて動きにくかったけど、カエルやドジョウを捕まえられたので面白かった。

 

稲を刈る時の感触は気持ち良かった。

 

学校の稲刈りでは、友達に刈り方を教えてあげようと思った。

 

稲を杭掛けして疲れたけれども、仕事が終わってからの御飯が美味しかった。

 

山形の葡萄も、今まで食べた葡萄の中で一番美味しかった。

 

 

 

 

 

中学生

 

稲刈りや野菜たっぷりの食事など農家ならではの体験ができました。

 

リンゴ狩も、美味しくとても楽しい思い出になりました。

 

道端にヤギやタヌキがいて、ビックリしました。

 

ゆうきの里さんさんのログハウスは、広くて綺麗でした。

 

 

 

 

 

・40代 会社員()

 

杭掛けではコンバインでなくバインダーを使い、水気が残る土の中を手押しで収穫したので重労働でした。刈られた稲を拾い集める事も大変で、天日乾燥の有り難さを実感しました。雑草取りは更に重労働と聞き、次回は夏に訪問したいと思います。

リンゴ園では、台風の後で多くのリンゴが落ちていました。落ちなかったリンゴでも隣の枝に当たって傷ついている物もありました。

 

今回の訪問は、農家の苦労を目の当たりにした貴重な体験となりました。