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ひがのひがめ2021.11.30.

所沢生活村の代表を務める比嘉は、とっても食いしん坊。安心して食べられる、おいしいものに目がありません。お味噌や梅干しや漬物を作ったり、割れてしまった卵でオムレツを焼いたりしては、「これ、食べてみて」とにっこり笑顔ですすめてくれます。そんな比嘉ですが、いつも社会の在り方について思索し、その思いを毎月の会報に「巻頭言」として綴っています。

毎日のご飯は、政治につながっている。
そのことに気付かせてくれる比嘉の文章を、ブログでもご紹介します。

衆院選挙が終わって私はその結果が受け入れられないまま、COP26で今度は世界と日本の惨めな姿を確認した。世界の支配層がなおも化石燃料にしがみつこうとし、わけても日本の岸田首相はまだ実現の可能性さえ不明の技術で火力発電の二酸化炭素排出量を減らすと演説して、環境団体から「化石賞」をもらった。違う!違うよ!地球環境破壊への対応でも農業再生への対応でも、もう従来のように国全体を一つの方向へ誘導するのではなく、各地域の多様な特性を踏まえた個別の取り組みが必要で、それが唯一の道なのではないか。この20年間ほど、日本の間違った脱炭素政策の失敗の数々に直面しながらも、再生エネルギーの導入に地道に取り組んできた多くの方々がいたから、再生可能エネルギーによる電力が総発電量の18%まで拡大してきたし、政府がいくら大規模能率的農業育成政策を進めようとも、日本では遅々として進まないが有機農業を各地で地道に取り組んできた多くの方々がいたからこそ、持続可能な食と農への道が閉ざされずに残っているのだと思う。そのうえで何をどう食べるか、何を食べないかを自立して決められる消費者の活動を維持し続けていけるかが私たちの課題だと思う。日本の中に確かに育っている市民社会の存在を私は信じたい。